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歯周病の全身への影響

歯周病は、進行の程度によって『歯肉炎』と『歯周炎(歯槽膿漏)』に分けられます。歯周炎はふつう10年〜20年かけてゆっくり進行します。

≪進行を早めるケース≫
喫煙者
 たばこのニコチンや煙には毛細血管を収縮させる作用があるため、歯肉の血行が悪くなり炎症を悪化させます。
糖尿病のある方
血糖値の高い状態で長く続くと、血管が傷害されて歯肉の血流が悪くなり、感染が起こりやすくなる。また、体内の代謝も低下し、歯肉の傷などが治りにくく、細菌に感染しやすくなります。
不正咬合の方
骨粗鬆症の方
 骨がもろくなっているため、歯槽骨も溶けやすくなります。
過労・睡眠不足・ストレス
 病原菌に対する身体の抵抗力が低下します。

≪歯周炎の症状≫
・歯ブラシをあてたときに出血する。
・噛めないほど痛む。
・冷たいものが歯にしみる。
・歯肉が腫れている。
・歯が長くなったような気がする。
・口臭がひどい。

≪血管傷害≫

歯周病菌が歯肉から血液中に入り込んで血管壁に感染すると、血管壁は厚みを増し固くなって、動脈硬化を促進すると考えられています。また、菌が動脈壁につくと、その周りに血小板が集まって小さな塊をつくることがあります。この塊が血管壁からはがれて、心臓や脳の血管につまり(血栓)、心筋梗塞や脳卒中を起こす危険性もあるといわれています。

≪心臓病≫
心臓の弁に障害のある人や人工弁を入れている人は、弁の周りの血行がスムースでないため身体の免疫システムも低下しています。そこへ歯周病菌が入ると、棲みついて増殖し、その結果、心内膜炎を引き起こし、致命的な心臓発作を起こす危険性が高くなると言われています。

≪糖尿病≫
歯周病菌が増殖して、菌が出す毒素が血液中に流れ込むと、身体の細胞は刺激されてさまざまな活性物質をつくりだします。その一つに「TNFα」という物質があります。そのTNFαは、血糖値を下げるインスリンというホルモンの働きを阻害する作用があり、その結果、血糖値がますます高くなり、糖尿病を悪化させると考えられています。

≪早産≫
歯周病菌の毒素によってつくり出される活性物質の一つに「プロスタグランジン」という物質があります。胎児は、羊水中のプロスタグランジンが急激に増えて、胎児が育ちきらないうちに一定量に達してしまい、その結果、子宮が収縮して早産になります。

≪誤嚥性肺炎≫
食べ物や唾液を誤って飲み込んだときに口の中の細菌も一緒に肺に入って引き起こされる病気で、高齢者が多い。(歯周病菌は毒素が強い)

ブラッシングを正しく行い、原因となるプラークを除去すれば、歯周炎は予防することができます。